加島祥造(かじましょうぞう)さんが亡くなりました2016年01月06日 10:36


詩人で英米文学者の加島祥造(かじましょうぞう)さんが亡くなりました。92才ということです。詩人としての側面がありますが、私にはなんといってもウィリアムフォークナーの小説『八月の光』(原題はLight In August)を翻訳してくれた人ということで、人生の恩人みたいなひとです。

新潮文庫版の発行日からみると購入したのは16年前になります。当時、私は50代のはじめ、悩み多いときでしたね。それ以来、何度も読み直しています。題名のせいか、真夏になるとこの小説が思い出され、今ではカバーも製本もかなり痛んできています。ジョー・クリスマスが製材所に飄然とあらわれる場面、ジョアナ・バーデンを殺して逃げる場面そのほか、この650ページの大作のなかに印象に残る箇所がたくさんあります。

英語的にもかなり複雑な構成と文体をもった小説のようで、翻訳の良しあしが大きな役割を果たします。この小説にはもうひとつ別の人による翻訳がありますが、はっきりいって意味のよく通らない箇所がかなりあります。また加島さんの1967年の出版以来、その後も新訳は出ていないようで、それだけこの訳の質が高いということなのでしょう。

コメント

_ manicure ― 2017年05月04日 16:18

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