山遊会で箱根-大磯まち歩き2016年01月28日 19:13

背景の富士山が見えません
この冬一番の寒さになった1月24~25日に地元の登山グループ「山遊会」の一向で箱根へ出かけました。

本当は箱根旧街道を歩くという予定だったのですが、やはり低山とはいえ(用意のない人もいたので)雪の残る道は大変ということで中止に。代わりというわけでもありませんが、東海道をもどって小田原を過ぎ、大磯町(神奈川県中郡大磯町)の湘南平(一名湘南アルプス!)を目指しました。

大磯は、古代には相模の国府が置かれた場所で、中近世にも多くの旅人がここを訪れています。江戸時代になると東海道の宿場のひとつとして栄えましたが、やはり明治以降に東京の避暑地として有名になり、戦後は海水浴など湘南レジャーの中心地としてもにぎわった歴史のある町です。

JR大磯駅を出ると本当に目の前に丹沢山塊につながる丘陵がそびえています。丘のかなり上まで住宅地になっています。一方、駅の反対側から海岸までのほんの狭い地域に主要国道と主要鉄道線が走っているのです。品川宿もそうでしたが、東海道というのは、このように海と山に挟まれた細長い街道沿いに延々と町が続いているんです。現代の新幹線も高速道路になるともっと内陸部の山間地帯をつき抜けて一直線に走っていますが、これは20世紀の半ば以後のことになります。つまりごく最近のことです。

さて、目の前のこの丘陵が「湘南アルプス」というわけなのですが、標高はせいぜい180メートル程度しかありません。しかし驚いたのは山頂につくられた展望台からの360度の眺望です。西を振り返ると丹沢山塊越しに全山雪に覆われた真冬の富士山。東にはさえぎるもののない広大な関東平野。東京スカイツリーも見えます。東は相模湾。長い海岸線と沖には思わぬ近さに伊豆大島。関東山地の一番東にあるという地理上の利点なのでしょうが、この高さでこの眺めは一見の価値ありです。

この頂上(展望台)までは、大磯駅から歩いても30分もかかりませんが、ゼロメートルから一気に駆け上っていることや横穴墓古墳群も見られるけっこう急峻な谷地形のおかげでアップダウンや縦走を十分に楽しめます。山歩きのトレーニングと思われる装備の人ともすれ違いました。

山を下りると海岸へ。その間、特に史跡巡りをしたわけでもないのに西行ゆかりの鴫立澤や島崎藤村旧家、吉田茂別荘に出会いました。街道を少し戻ると松並木の保存された旧東海道路があります。海岸にある漁協の隣にある直営のレストラン「めしや大磯港」ではその日とれた新鮮な魚の料理がおいしかったです。