苗木城と恵那山2020年10月11日 13:08

この10月初めに「鳥海山・月山」の登山プランがあり、私は鳥海山にi行かずに羽黒山で一日過ごしてから一緒に月山に登るということを考えていたのですが、どうも予定日の鳥海山の登山指数がC(=登山不適)のまま変わりません。おそらく風のためと思われますが、その代替案として選ばれたのは長野と岐阜の県境にある百名山のひとつ恵那山でした。関東からはかなり遠く、知名度は低いかもしれません。だたこちらは天候も良く、こういう機会でないといけないということで、計画を1泊2日に変えて出発しました。折角なので近くにある苗木城という山城も見学することにしました。2日目の最後の下山途中に雨に降られましたが、それまでは無風快晴の中、楽しい登山と観光ができました。特に、巨岩上に築かれた苗木城からの景観と恵那山登山中に見た山谷の光景はすばらしいものでした。

参加者は午前11時半には観光の目的地である苗木城跡(岐阜県中津川市の国指定遺跡)に到着しました。ここは恵那山トンネルを越えて岐阜(美濃)になります。苗木城は、木曽山中から流れ下った木曽川が中津川と合流する地点の右岸にある急峻な巨岩・巨石で形成されています。山の地形をほとんどそのまま芸術的にまで利用して造られた、見上げるだけで感嘆するすばらしい山城です。

ちなみに木曽と美濃の間に位置するこの地は中世の動乱に翻弄されましたが、城主の遠山氏は武田信玄、織田信長、徳川家康などの間を泳ぎ抜いて幕末まで城を守ったそうです。見学者はほんの30分もかからずにこの驚くべき山城の最上部まで登ることができますが、その間に、時代ごとに造られた石垣の建築様式や櫓の跡を十分に見学することができます。頂上は天守台になっていて、土台となる巨石に穴をうがち柱を建てた懸づくりという木造建築物が復元されています。この日は快晴無風、眺めは素晴らしく木曽川の流れや雄大な山々特に正面の恵那山を堪能できました。(上の写真は、中津川市のホームページから一部使用させていただきました。バックに恵那山を背負った山城の全容がわかります。下にURL)

http://www.city.nakatsugawa.gifu.jp/kankou/spot/2018/03/100-432m-360-93017001630122715-320.html

●以下は山の会のブログに書いた内容をアレンジします。

さらに伊那渓に寄った後、再び恵那山トンネルを抜けて、昼神温泉郷の翠水という老舗旅館に向かい、今しか使えないGOTOキャンペーンの「割引」を利用してかなり豪華な夕食を堪能し、さらに食後は山遊会の今後について真剣な話し合いを行いました(本当です)。

翌朝、まだ暗い午前5時半前に旅館を出発、谷に沿う悪路を遡って広河原登山口に向かいます。恵那山という山は地質的にもろく崩れやすいようですが、確かに途中の林道の崖もかなり崩壊していました。横を流れているのは本谷川という天竜川の支流ですが大小の岩石が散乱する河原には大量の土砂が流れた跡がありましたし、見かけただけでも3つの砂防ダムがあって大規模な工事中でした。車で駐車場に到着。施設はありませんがきれいな水洗トイレがありました。午前7時前、そこから林道を30分ほど歩いて、川を渡る橋から登山道が始まります。V字谷なので最初から急登、ササに覆われた広葉樹の森の中を曲がりくねって進みます。それでも、この日も天候は良く、快晴無風、涼しいので快適です。30分に一度ずつの小休憩をとりながら歩みを進めていきます。

こうして1時間半ほど過ぎ、樹林帯にシラカバが目立つようになった頃、東北方面の樹林が開けて、遠くに雄大な山塊が確認できました。(後で地図で確認すると)木曽山脈の南端にあるこの恵那山からほぼ真東が赤石山脈ですから、見えたのは甲斐駒ケ岳からはじまる南アルプスでしょう。一番高いのが北岳、そのすぐ隣が間ノ岳とよくわかります。この大山脈とわれわれのいる場所の間にある低い窪地地形が諏訪湖から流れる天竜川がつくった伊奈谷で、昔は山間の僻地として有名でした。雄大な地形が眼前に広がっているのに感動です。

さらに50分ほど背の高いササをかき分けて進んでいくと今後は北東方面が開けた場所に出ました。今度はすぐ近くに茶色い山頂がはっきりみえる木曽御岳山の雄大な姿があらわれ、そのはるか東に一連の山塊が青く見えます。北アルプスと思いますが、槍ヶ岳が見えるかどうかは意見がわかれました。地図で確かめると乗鞍、穂高、槍はかなり重なってみえたと思われます。しかし視界があまり良くないといわれていたこの広河原口登山道ですが、天候がよければかなり素晴らしいということがわかりました。

これ以降、ダケカンバやツガの木が目立つ高度になる頃、登山道は平坦になり、快適な森林歩きになりました。恵那山は遠くから見ると平坦な頂上ですが、そこに到着したわけです。10時15分頃、恵那山頂上(2191メートル)に到着です。この山の本格的な紅葉はまだなのですが、色づき始めた木々に加えて、頂上付近には真っ赤なドウダンツツジが群生していて目を楽しませてくれます。周囲は樹林帯でそれほどの景観はないのですが、5メートルほどの木製の展望台が設置されていて登るとそれなりの紅葉の景観があります。すぐ近くの最高地点も同じ感じでした。付近にはいくつもの新しい神社が祭られています。

頂上近く、20メートルほどの巨大な岩壁がそびえ立つ広場に避難小屋があり、ここで休憩・昼食をとっているうちに、それまでの青空があっという間に灰白色の雲に覆われてきました。情報不足だったのですが台風が接近していたようです。12時前には下山開始、最後の30分くらい雨に降られましたが樹林帯のためあまる濡れることはなく、午後3時過ぎ、駐車場に到着しました。

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