出羽三山の旅(1)2021年09月29日 17:55


 山寺


9月の終わりにひとりで山形県の月山、羽黒山をまわり最後に象潟(きさかた)を見てきました。東日本最大の霊場である出羽三山を歩くことはここ数年来の計画でしたが、このブログの記事でも書きましたように、地元の山の会の「鳥海山・月山登山計画」に便乗して羽黒山を訪問することが2年続けて中止となり、どうも来年も可能性が低いので、元気なうちに一人で行こうと決めた次第です。


一人なので当然、厳しい鳥海山には行きません。その代わりに、この鳥海山の麓の景勝地である象潟を歩くことにして、全部で3泊4日の旅になりました。昨年も大分県・国東半島の六郷満山登山ツアーに3泊4日で単独参加していますが、これは集団行動なので、目的地も日程もツアーまかせなので単独行とは違います。こんな気楽なやや長期の一人旅というのは、ここ20年くらいで初めてというくらいの試みです。


結果は「楽しかった」のひと言です。天気予想で好天が続くのを確認して出発の3日前に最終実施を決めましたから(ここが一人旅の良さ)、晴天しかも秋の心地良い風の吹く中を十分に活動できましたし、登山でも前後に気を遣う必要もなく、心配な箇所ではゆっくり行動でき、なにより計画に無くてもちょっと行きたい場所にいけるという満足感は他にありません(ただし、危険な箇所はありませんでしたが、高山の登山はグループの方が安心で楽しいという側面も実感しました)。出発前、今回の旅でもっとも楽しみにしていたのは「羽黒山古道」です。調べたところでは2つの道が見つかりました。


最初の日は、仙台からJR仙山線で山形方面に向かい、途中にある山寺に立ち寄りました。仙山線は仙台駅から広瀬川に沿って上流に登っていき、太平洋と日本海の分水嶺となっている奥羽山地を面白山という変わった名前の山をトンネルで通り抜けて走っていきます。山形県に入り、庄内平野に下る直前の山塊に位置するのが山寺です。


山寺(やまでら)は通称で、正式には宝珠山立石寺という天台宗のお寺ですが、文字通り400メートル以上の岩山の麓から山頂近くまでが寺域となっています。山門をくぐり、そそり立つ岩壁を削って造り上げた石の階段を一歩ずつ歩き出すと、いたるところに信仰と修行の足跡を見出すことができます。この山が仏教以前からの古くからの修験の地であったことが実感できます(下の写真は岩に現れたとされる阿弥陀入来)。



寺内で最古の建物といわれる納経堂は歩き通した最後の山頂近くにまるで空中に浮かぶように建てられています。この赤い小さな納経堂が見える場所にある楓だけが見事に紅葉しているのは偶然ではないと思います(上の写真)。その上にあるのが五大堂で広い道場になっていますが今は観光用の展望台です。ここまで歩いてほぼ30分くらいのものです。


この寺は俳人・松尾芭蕉が『奥の細道』で訪れ、誰でも知っている「閑かさや岩にしみいる蝉の声」の句を残していることでも知られています。多分、そのために、俳句をやる人もやらない人も一度は訪問してみたくなる一大観光地になっているわけです。JR山寺駅のホームに降り立つと、目の前にこの山とお寺の全容が視界一杯に広がります。交通は不便なのですが、来て後悔はしない場所です。駅前のお蕎麦屋さんで、蕎麦定食を食べました。この4日間の中で唯一の外食でした。

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