池袋の富士山2019年01月20日 13:06


黒い溶岩の重なった荒れ果てた斜面に数本の樹木。これは北アルプスかどこかの高山の風景かとおもいきや、都心の池袋駅から徒歩で30分ほどの豊島区要町にある浅間神社の境内です。いわゆる富士塚ですね。このブログでも過去何回かの記事になり、つい最近も埼玉県志木市にある富士塚を紹介しています。

しかし、この富士塚は大きくしかも岩石の面積が多いです。こんな光景が大都会・池袋のすぐそばにあるのです。現在は南池袋ですが、昔は長崎町ですので「長崎富士」といいます。最大の特徴は江戸末期の文久2年(1863年)に造成され当時の様子がよく残っていることで、このことから国の重要有形民俗文化財に指定されています。

今回はおなじみの博物館友の会の「まち歩き」での訪問ですが、この富士塚、通常はかなり厳重な柵に囲まれていて人が立ち入ることができません。この日は豊島区役所文化財課を通じて保存会の方(本橋さん)に来ていただき、中に入り、希望者は山頂に登ることもできました。本橋さんのお話しではこの地には古くからの塚(古墳?)があったそうで、銅鏡が出たことが契機になって地元の富士講の人たちがこのような見事な富士塚を建設したということです。使われている富士山の溶岩(いわゆる黒ボク)は相当の量ですから、資金や時間もかなりかかったものと思われます。当時の人たの信仰心の強さと心の豊かさがわかります。

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