那須高原でスノーシュー2019年01月31日 15:23


山の会の新年会で栃木県那須塩原市の“豪華格安ホテル”に行きました。新年会はともかく2日目に体験したスノーシューが新鮮でした。

参加者は10名、午前9時にタクシーに分乗して約15分ほどの大沼園地という場所に向かいました。あとで知ったことですが、この「大沼園地」は日本で第一号に指定された自然研究路(昭和33年)という由緒のあるところだったのです。大小の沼と周辺の森林そしてそれをとりまく日光の山々という絶好の自然観察ポイントが随所にある自然公園のようです。日光国立公園の中で、ここは禁猟区になっています。

ここでスノーシューをつけて歩きながら野生動植物の観察をしてみようというのが目的です。われわれはスノーシューという「スポーツ」をするものだとばかり思っていたので、こんな素晴らしい体験企画だったとは意外でした。

スノーシューとは“西洋かんじき”といわれればわかるように、防水仕様の靴の上から付ける雪上歩行具のことです。通常の靴などより設置面積が広くなりますから雪の上でも潜らない。ただしスキー板ほど広くはないので雪面上を滑っていくようなこともないという、つまり雪の中を歩く靴ということです。

専門のガイドの方に先導いただき、林の中、やや勾配のある段丘を越えて、湿地帯ながら現在は一面の雪原となっている沼(これが大沼)の上を歩きました。標高1000メートルほどの高原ですが沼に接する林はミズナラなどのブナ科の広葉樹が多く、真冬だけに葉が落ち足元は、雪と茶色い枯葉に覆われています。見通しはよく、明るい光であふれています。また、この日は風もなくあたたかいという好天気でしたので快適な雪の中の散歩になりました。

少し歩くと雪の中にいくつものちいさい足跡がありました。ガイドさんが「これはノウサギ」「これはテンだと思います」と教えてくれます。野生動物の多くは夜行性だったり非常に警戒心が強かったりしてほとんど目撃することはできません。足跡だけとはいえ、こうした動物の生態をすることが可能なのはまさに雪のためです。大きな窪みはシカの歩いた跡のようです。この地区にはツキノワグマも生息しているようですが、冬のことですから姿は見られません。秋口にドングリなどを獲るために登ったときの爪跡を教えてもらいました。

この林の中の高い上に丸い鳥の巣状の塊があります。ヤドリギです。これはレンジャクという野鳥が活動していた証拠で、赤く色づいたヤドリギの実を求めてこのきれいな野鳥やってくることもありそうです。約2時間ほどの短い滞在でしたが楽しい時間でした。