香港で山に登る(2)2016年12月09日 09:16

後ろに見えるシャープピーク

香港山岳旅行、第3日目に挑戦したのは、大陸半島側にある西貢東郊野公園の中心、シャークピーク。正式な山の名前は蚺蛇尖といい、要するに蛇の頭ということらしく、その意味は、頂上付近のとがった岩場をみればすぐにわかります。標高は468メートルと低いのですが、一度、海岸に出てから一気に登るのと最後の岩場の急峻さが難度を高めています。

さすがに経験豊富なベテランも含んだ登山隊ですので、急な岩場もなんのその、往復とも標準タイムをかなり下回る時間で踏破しました。岩場には日本のようなペンキの印や鎖も一切ありませんでしたが、初心者の私でもそれほど問題ありませんでした。

この山は周囲を海岸に囲まれた半島にありますので、眺望がすばらしくいいです。崖を登っている時はあまり気が付きませんが、結構広い頂上に到達すると4周が海という展望が開けます。ほぼ快晴でしたから海と空が溶け合うはずですが、水平線付近には靄(もや)がかかり、海と空の境がわかりません。スモッグのためですが、大陸内部はもっと深刻なのかもしれません。

この山でも登山中に、香港の若い人たちに会いました。どうも香港(中国?)の壮年世代は年金制度のためか、かなり生活が苦しいようで、登山はもとより観光地にもあまり出てこないとのことでした。若い世代はこの山でも、出会うと「日本語勉強しています」「日本に行きます」と明るくあいさつしてくれました。日本人への偏見はほどんど感じませんでした。そういえば、この日の朝、朝食を食べた食堂で店のマスターが、私たちが日本人とわかると写真を持ってきて「女房が日本で寿司の修行をして、免許をとった」とうれしそうに見せてくれました。

海外での登山も始めててしたが、いわゆる「ツアー」でなく自分たちだけで計画して行動する旅行もはじめてでした。短い期間でしたが、思いでの多い旅になりました。