旧中山道針ヶ谷の庚申塔2016年02月25日 20:48


この写真はさいたま市(旧浦和市)の旧中山道・針ヶ谷にある庚申塔です。庚申塔は埼玉県内でも各地にたくさんありますが、この庚申塔はとても状態がいいです。青面金剛の口のまわりが少し欠けていますが、それ以外は、庚申塔の見本のようにきれいな姿を保っています。たぶん当初から現状のように屋根のついたお堂の中に安置されていたのでしょう。月と太陽、踏みつけられる邪鬼、三猿、鶏とおなじみのメンバーですが、この地ではいまでも大事にされているようでお花や賽銭もありました。建立は正徳4年との記録があり、享保の前、江戸時代が転換点に来た頃にまつられたいうことがわかります。

最近、大宮の氷川神社参道から浦和まで、旧中山道を歩いて帰ることが多くなり、だんだん沿道の風景に目が行くようになりました。特に、与野駅から北浦和にかけては若いころ一時暮らしていたことがあってなんとなく故郷に帰ったような郷愁を感じる地区です。この庚申塔も当然昔からあったのでしょうが実はまったく記憶にありません。逆に、与野駅前には大きな樹があったと思うのですが全然見当たりません。40年の歳月は一瞬のごとくでありまた永遠のようでもあります。

実は、この庚申塔に感激したこの日、私は大宮から浦和のどこかで胸のポケットに入れた名刺入れを落としてしまいました。現金はありませんでしたが、SUICAや保険証、図書館カード、回数券などがはいっていました。帰宅後、落としたと思われる店に連絡しましたが該当品はなし。あきらめていたところ、翌日になって私の地元・朝霞の市役所から電話があり「あなたの図書館カードの入った名刺入れが浦和警察に届いています」ということ。今日受け取りに行ってきましたが、二人連れの女子中学生さんが届けてくれたとの話でした。なんとなく、この庚申塔のご利益かなという気がしないでもありません。