グレートジャーニー その2 ― 2015年12月19日 18:34

関野吉晴氏の著書などからもう少し正確に「グレートジャーニー」のことを調べました。1949年生まれ(私と同年齢)の関屋氏がこのグレートジャーニーを南米・チリの南端から開始したのが1993年5月。最終地の東アフリカに到着したのは2002年10月。準備期間を含めると10数年にわたる冒険旅行ということになります。最終地のエチオピアには人類最古の足跡と思われる化石が発見されていますので、そこを人類の起源の場所としたのだそうです (写真:国立科学博物館=トリップアドバイザー提供)。

関野氏によると人間の人間たるゆえんは「家族、言語そして直立2本足歩行」。この足跡は、その中の家族と直立2本足歩行の証拠だそうです。化石の残る地層は360万年前なので現生人類ではないのでしょうが、人類のルーツであることは確かだと彼は信じています。

移動の手段は、平地では自転車が多いようですが、山岳地帯はもちろん徒歩、乾燥地帯はラクダにも乗っています。海はボートを手漕ぎ。どの場所も苦労の連続ですが、特に、南米パタゴニアやヒマラヤの氷河地帯の移動は、19世紀以来の多くの極地探検者の残した記録の中の苦難を思い出させます。それでも、GPSや乾燥食料などの近代装備や通信手段、さらにこれは記録のための取材旅行で、バックには応援スタッフがいるというのは、孤立無援だったかつての冒険者との大きな違いです。

意外なのは、移動の障害が自然ばかりでなく、国境紛争やアメリのイスラム戦争そこから生まれたテロなどの政治的要因であるということ。関野氏も述べているように、この世界的な大移動を可能にしたのは、東西冷戦の終結と、9.11以後の対イスラム戦争の間という微妙なタイミングだったからかもしれません。関野氏の「グレートジャーニー」は、単なる冒険記録でなく、この地球が、いつの間にかそこに住む人間が細かく分割する不自由な「なわばり」の連続になっていること、その中で、今でも貧困、差別、文明、野生が共存していることを示しています。

コメント

_ manicure ― 2017年05月04日 19:56

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