入笠山での冒険2021年07月22日 14:08


関東地方の梅雨明け発表があってから2日ほどあと、長野県にある入笠山に登山しました。雨模様の天候が続き、久しぶりの青空と陽光の中、涼しい高原の花の山で解放された気分になれるという場所のはすでした。もちろん、山上の高層湿原や頂上からの360度の山岳風景はすばらしいものでしたが、途中、登山道にたどり着くまでの藪歩きと帰りの駅までの徒歩移動という予想外のハプニングがあり、これはこれで思い出に残る山歩きになりました。

入笠山(にゅうかさやま)は南アルプスと呼ばれる証山脈の東にありますが、決して厳しい山ではなく、頂上付近には高層湿原がひろがり、スキー場ともなるほどの積雪量を地中に保持する豊かな森林帯が広がる水源の山です。多くの人は駅からバスとゴンドラであっという間に頂上までたどり着けますから。いつも観光客で賑わう大リゾート地でもあります。中腹から登山道がありますが、登山開始位置の標高も高いので、ほぼ1時間くらいで頂上に到達してしまうようです。今回は山の会の正式グループではなく、個人参加の集合という形式でしたが、参加8名で、途中で、4名がゴンドラ組、残りが歩いてみようという登山組にわかれました。私も登山組のひとりでしたが、(始めから登山口へいけばよかったのですが)ゴンドラ出発駅まで来てから歩行登山を決めたものですから様子がわからず、それでも地図をみるとゴンドラ出発駅から登山道まで通じている道があるようなので、あまり心配せずに歩き出しました。

ところがその道というのが、現在歩く人がほとんどいないようで、分岐点は不明瞭、スマホの登山地図を頼りに無理して分け入ると、途中からほぼ廃道というよりジャングル状態になり、GPSで位置を確認しながらのいわゆるヤブ漕ぎとなりました。斜面をななめに横断しながら悪戦苦闘すること1時間ほど、なんとか整備された作業道らしき場所に出てひと安心。そこからも登山道への強引なショートッカットはありましたが、正規の登山道の中間に到着、下山してくる登山者に驚かれましたが、あとは平坦な坂道を登り続け、周辺の景色がカラマツからブナやシラカバの混合林に変わる頃、山頂の湿原に到着。ここで先に来ていたゴンドラ組と合流しました。

そこから入笠山頂上までは近いのですが、入笠花畑という草原を廻るルートを進んだり、八ヶ岳展望台で時間をかけたりしたため、帰りの最終ゴンドラにぎりぎりの時間になってしまい、あわてて木道を走るはめになり、湿原はほとんど見る余裕がありませんでした。さらに、ゴンドラを降りた山麓駅からJR富士見までの無料バスも終了していて、連絡したタクシーもすぐには来てくれないということで、最寄りの富士見駅まで歩こうということになり、さらにあと40分以上の道路歩きがおまけにつきました。久しぶりの登山はよく歩きました。

カブトムシが翔んできた2021年07月30日 04:48


数日前、自宅のベランダにカブトムシが翔んできました。家人が「何か虫がいる」というので近づいてみると、体長7センチくらいの立派なオスのカブトムシが手すり近くにある溝に貼りつくようにじっとしていました。

カブトムシは私の子供時代の思い出のかなり大きな部分を占めている、いわば懐かしい旧友のような生き物です。60年以上前の小学生時代。私は埼玉県大宮市(当時)のはずれの新興住宅地に住んでいたのですが、当時はどこもそうだったかもしれませんが、住宅地を一歩出れば、雑木林と水田や畑に囲まれた今では信じられないような豊かな自然環境が広がっていて、当然、多くの子供たちは野山で遊びまわり、小川や草原、林は本当に身近なものでした。

そんな中で夏になると子供たち(といっても男の子ですが)の中のあるグループはカブトムシやクワガタムシを捕ることに熱中したものです。それらの昆虫はどこにいるのか、どうやって捕まえるのか、誰に教えてもらったわけでもないのですが、けっこう詳しくなり、雑木林のなかを探して歩き、それらが潜んでいそうな、古びて樹液が垂れているようなクヌギの木を見つけておいて、早朝、ひとりで、朝露でズボンを濡らしながら林の中に分け入って、何匹もの黒光りするカブトムシやクワガタ(これには大型と小型がありました)という素晴らしい獲物を見つけたときの喜びは今でも覚えています。

このカブトムシはどこから来たのか。近くの高校の敷地にはその中を野火止用水の旧流路が横切っている林があり、当然、武蔵野の雑木林ですから、ここに棲息していることは十分に考えられます。ただ、うちのベランダはこの高校とは反対方向側にあります。もうひとつは近所の子供がホームセンターのペット売り場で購入した個体が逃走したというケースで、案外こちらの可能性の方が高いかもしれません。

救助した時、かなり衰弱していた感じでしたが、箱の中にスイカの切れ端を入れて置いたらかなり元気になり、夜になるとカザゴソ動いています。