信仰の山―相模大山2018年03月27日 10:08


『大山詣』として江戸時代以前から信仰登山の山として知られている「相模大山」に初めて登りました。大山は、その三角形の端正な姿が相模湾から遠望でき、航海の目標にもなることから相模灘を行く船乗りや地元漁民の航海の守護神となっていたと思われます。さらに農民にとっては雨を降らせてくれる阿夫利神社信仰の総本山として深い信仰を集めてきました。地形上、海に近いこの山には雨が降ることが多く、そのため名水も出るでしょう。

おまけにというか、こちらが主役だったかもしれませんが、帰りの参詣道には料理屋が軒をつらね、下山後には山上から眺めた美しい江の島にも詣でることができるという当時のひとにとっては夢の様な観光旅行のできる場所でもあったようです。

今回もおなじみ地元の登山会のメンバーとともに登山です。詳しい情報はそちらのブログをご覧ください(http://00418964.at.webry.info/)。

今回は表参道と呼ばれる伊勢原口でなく、蓑毛から入る「裏道」を登りました。途中に、裏参道へ分岐の石碑が立っています(上の写真)。こちらをいけば下社に出られるのですが、われわれは直接奥社に向かいました。

大山は1200メートルほどの山ですが今年は雪が多く、途中、700メートル付近のヤビツ峠から上には残雪が残り、山頂付近は階段状の岩とその間の解けかけた雪でかなり歩きにくかったです。春休みということで小学生や軽装備の人の姿も見かけましたが、霊山でなくても、山は畏敬をもって登ってもらいたいと思います。

山の中腹にある「阿夫利神社下社(本社)」の拝殿正面からは相模湾と江の島が風景画のように見えます。快晴の日にはまさに絶景で、徒歩旅行時代、ここまで登った人が大感激したことがしのばれます。大山の名水や名酒をいただくこともでき、喜んで味わいました。

ここから参道入口まで降りるのに男坂と女坂があります。迷わず女坂を選びましたがこれがけっこう急な石段状の岩道で、全員「昔の女性は強かったのだ」と痛感しました。参道では、高級店からそうでなさそうなものまで、名物の豆腐料理店が軒を連ねていました。これも大山に降る雨による湧水がもたらしたものなのでしょう。