川越の伊佐沼2018年04月25日 17:56


思ったより広いという印象。曇り空の下で水面が白く光っている―伊佐沼です。川越のはずれに大きな沼があるということは子供のころから知っていました。地図を見ると、私が利用していた川越線の日進という駅から2つ目(現在は3つ目)の南古谷駅のほぼ真北2キロメートルほどの距離にあることが簡単にわかります。しかし、どういうわけは大宮にいたころも朝霞に移ってからも縁がなく、この沼を見たことがありませんでした。

「川の県」とかを標榜している埼玉県ですが、河川敷の広さを河川の面積とすれば確かに間違いではありません。もうひとつの内水面である「湖沼」については、おおきなものはそのほとんどがダム湖や灌漑用の溜め池など人工的湖沼です。これに対して伊佐沼は改修を繰り返してはいますが、基本的に自然湖沼と思われ、27ヘクタールの水面積で、埼玉県では最大です。かつてはこの2倍の広さがあったとのことです。

この沼に行く方法については、上に述べたように川越線の南古谷駅からまっすぐ歩くのと、あとは、これが普通になりますが、川越駅からバスで入口まで行くという2つがあります。この沼を「まち歩きの」対象にできないかということで、先日、出かけてきました。行きは川越駅から喜多院付近まで行き、あとは約30分、ひたすら歩きました。このコースは(逆でもいいですが)川越の街あるいは川越城が武蔵野台地の上に位置していることを実感できます。

そしてこの台地の外縁をぐるりと囲んでいるのが新河岸川です。この川はかつて伊佐沼から流れ出していたといいますから、かなり広い低湿地が川越城の周りを囲んでいたことが想像されます。初雁城という川越城の別名も湿地に群れる水鳥にちなむものです。

これからの田植えの季節に向けて、沼は水をたたえ、夏には古代ハスの花が咲くということです。帰りは伊佐沼から南古谷駅に向かい水田地帯の中の一直線道路を歩きます。これも約30分です。周囲の田園は広大で、まもなく、広大な水田中に青い稲の葉が揺れる光景が見られると思います。難をいうと意外に車の行き来があるということです。16号線へのバイパス、近くの病院への通院ということでしょう。