ミュージカル『李香蘭』2018年04月13日 18:20


風の強い日の夜、芝浦埠頭の自由劇場でミュージカル『李香蘭』を鑑賞。この作品は、1991年の初演以来、なんと900回近くの上演を重ねている、浅利慶太構成・演出のオリジナルミュージカルです。

日中戦争開始の昭和初年から太平洋戦争・日中戦争終結までの20年間を背景に、中国の歌姫として活躍した(日本人)李香蘭こと山口淑子の半生もとにした作品です。もちろん劇中のさまざまなシーンはフィクションなのですが、背景の歴史的事実はまるで歌う歴史年表のように細かく説明されていき、日本軍の強引な中国進出はややカリカチュアライズされて語られます。これが28年間続けられてきた演出の基本なのでしょう。

中心人物が李香蘭ですから、劇中でも、「夜来香」「蘇州夜曲」など彼女の代表曲が歌われますが、「海ゆかば」や「月月火水木金金」など、軍歌や戦時高揚歌もかなり登場、これが時代を象徴することになります。

冒頭と最後は上海軍事法廷で李香蘭が裁かれる場面。最後に裁判長は『憎しみに憎しみをもって報いれば悲劇は永遠に終わらない。憎しみに徳をもって報いよう。被告は無罪』という意味の判決を述べます。かなり明確なメッセージといえます。

会場は満員でした。私の様な中高年もかなりいますが、若い女性が圧倒的です。細かい歴史の流れの説明は正確に伝わっているでしょうか。写真はホームページから。当日のものではありません。

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