近所の巨木2018年02月23日 13:21


大きな樹木には心惹かれるものがあります。私は格別のマニアではありませんが、先日の熱海・来宮神社のクスノキの巨木には感動しました(http://mylongwalk.asablo.jp/blog/2018/01/31/8780061)。数年前には、尾道から今治に至る「しまなみ海道」観光で立ち寄った大山祇神社の、これもクスノキの大樹に驚きました。クスノキの巨木は西日本に多く、日本一の巨樹も鹿児島県にあるクスノキで、これはぜひ見たいものです。

私の住んでいる近くでの巨木となると、すぐに思い出すのはさいたま市浦和・玉蔵院の大ケヤキ。これは近くに行くたびに鑑賞します。関東地方では大きくなる樹としてはケヤキやイチョウが目立ちます。大宮・氷川神社参道にも数本、ケヤキの巨木があり、これは月に数度は触れる巨木です。

住まいでの一番近くでの巨木となると、歩いていける範囲では埼玉県志木市の寶幢寺(ほうどうじ)があります。真言宗の古刹なのですが、境内に巨木が多く、遠くからでも目立ちます。寺の前には「寶幢寺古木あんない」という掲示板が建っていて、樹種と直径、高さが記された番付表が記されています。それによると横綱は長屋門近くのイチョウの木で太さ5.67メートル。ついで大関は山門近くのケヤキの大樹で太さは4.82メートル。関脇、小結もケヤキになっています。大関のケヤキは樹高では一番で37.5メートルもあります。一般に人間界での巨人とは身長の高いひとをさしますが、巨樹の世界では胴回りの太さをいうようです。上の写真で、右に見える太いのが大関のケヤキの木。その左に枝だけ見えているのが横綱のイチョウです。

この「寶幢寺古木あんない」は教育委員会の調査によるものらしいですが、寶幢寺境内には直径3メートル以上の木が10本ありますから、志木市内はもとより、近隣の市町村を含めても珍しい巨木の寺院ということになるかもしれません。

この寺のある場所は武蔵野台地と荒川低地の境目にあたり、10メートル以上の崖下には川越と江戸を結んでいた新河岸川という運河が流れています。武蔵野台地は江戸期になると牛馬の放牧場や牧草地になり、一面の草原と雑木林になったといわれていますが、それ以前には(少なくとも数百年以前には)こうした大木の茂る森林も存在したのでしょう。