日本遺産(足袋文化)のまち「行田」を歩く2017年11月24日 11:53


日本遺産というのをご存知でしょうか。保全を目的とした「世界遺産」とは違い、有形・無形の文化財群を地域主体で総合的に整備活用して“地域の活性化を図る”ことを目的として文化庁が認定するものです。これまでに日本中、関東地方でもたくさんの認定がありますが、埼玉県で初めて指定されたのが行田市です。「足袋文化のまち」ということで、明治以来の和装文化に欠かせない足袋の一大生産地として栄えた行田市に残る様々な文化財が指定されていますが、特徴的なのが街の随所に残る「足袋蔵」とよばれる建築物です。この「足袋蔵」を歩いてめぐるツアーも企画されています。

私の所属する埼玉県立歴史と民俗の博物館友の会「まち歩き研究会」
でももこうした日本遺産(足袋文化)のまちである行田を足袋蔵を中心に歩いてみようという企画を立てました。

11月17日(金)、JR熊谷駅と行田市駅にわかれて集合。参加者は33名になりました。行程としては、行田市駅から忍城(おしじょう)城跡にある行田市郷土博物館で「足袋文化」や「さきたま古墳群」などていねいに展示された行田市の文化財について学んだあと、近くの水城公園へ。ここは忍城の堀跡が唯一残っている場所で、随所に流れる湧水にかつての「浮かぶ城」の面影をしのぶことができます。ここで、昼食休憩。名物のゼリーフライも買ってきて賞味しました。この食物は店ごとに少しずつ個性があるようです。

次いで、忍城差間口で激戦のあとと伝えられる天満社とその前にある高源寺を訪問。次いで古墳通りへ、ここから本格的な「足袋蔵めぐり」の始まりです。行田市発行のガイドブックに主要な蔵が番号付きで紹介されていますので、静かな町並みをゆっくり散歩しながらの探索でも苦労はありません。歩いていると、足袋蔵だけでなく城下町らしい古風な建物も多く見られ、こうした思わぬ発見をしながらの散策が「まち歩き」の醍醐味です。最後は、「十万石饅頭」でおなじみのふくさやの入っている翠玉堂、内部がみられる足袋蔵=まちづくりミュージアムなどの特色ある蔵も訪れました。

*なお、この記事は友の会のブログとほぼ同じものです。

長瀞の「みかん山」2017年11月27日 13:38


11月14日は「埼玉県民の日」だとか。私は小学校以来の埼玉県民ですが、子供の頃こんな祝日はききませんでした。昭和46年に制定されたもののようで団塊世代以上の県民はほとんど事情を知りません。

所属する地元の山の会では、それでも山遊会では毎年この日を記念して、毎年、主に秩父地域の手ごろな山を巡る企画を立てています。多分、東武東上線で割安な記念乗車券を発売するのがその理由と思えます。今年もこの記念切符を最大限利用して、参加者11名が、朝霞方面から寄居駅まで東上線に乗り。秩父鉄道・長瀞の手前び野上駅で下車。ここは昨年と同じ場所ですが今年の目標は荒川の右岸に連なる丘陵の中の大平山(別名:小林山)とその麓のミカン園。ここは経験者がないようですが、地図はあるので順次ルートを決めていけばいいということでの出発のようでした。

登山道は金ケ嶽神社の奥から始まっています。正式には金嶽春日神社というらしく、拝殿は金ケ嶽の山頂にあるので、ここは参道というべきでしょうか。まずはこの山を目指して登ります。午前9時前です。登山道途中の分岐には標識がありますがはっきりしないため山遊会のリーダーが集まって鳩首会談です。この日(11/14)、遠くフィリピンではASEAN(東南アジア諸国連合)の首脳会議が開かれれていましたが、山遊会の会談もこれに劣らず白熱した模様です。なんとか頂上近くの春日神社に到着。鳥居はなく、シメ縄だけの不思議な神社ですが(写真)、見晴らしはなかなかいいです。谷を挟んで見えるのが大平山方面でしょうか。目標の金ケ嶽は神社のすぐ上のようですが、ピークとおぼしき地点に達しても何の標識もなくやや拍子抜け。地図にも標高が載っていませんから公式の標高はないのかもしれません。

次にこの丘陵の最高峰、大平山へ。途中に植平峠、葉原峠、岩根神社などへの標識がありますが、集落へ向かう道もあるようで、どちらが道がいいのか、ここでまた会談を2回ほど開催。舗装された林道を横切って、杉の植林に混じって広葉樹の森もあるので落ち葉を踏みながら頂上とおぼしき場所へ向かいます。するとそこには衝撃的に小さな『大平山』という木の標識が「猟銃禁止」の表示板に鉄のポールに巻き付くようにかかっていました。長さ7センチくらいの手書きです。とにかくここでうれしい?登頂記念の撮影。

ここからは反対側の斜面を一気に下って小林ミカン山と書かれた場所に向かいます。行けどもミカンはなかなかでてきませんが、道路沿いに開けた集落に出たところで道の両側に濃い緑色のミカンの樹と黄色い実が現れるようになりました。ミカン園に到着です。ちょうど12時頃ですが雨が降ってきましたが、われわれは「本家園」というかなり古い家がやっているらしい農園に急いで入り、縁側で雨が止むのを待たせてもらいました。30分くらいでしょうか。

ミカン畑はすぐ下の斜面に広がっていました。600円で、食べ放題の上に、袋一杯のミカンを持ち帰れます。かなり酸っぱいのやあまり甘くないのなどさまざまですが、健康そうなミカンをたくさん賞味できました。昼食後、「本家園」の女性にきくとこの民家は築150年でいまは女性と息子の2人でやっているがなかなか大変とのこと。最後は波久礼という秩父鉄道の駅に到着しました。

(この記事は山遊会のブログ=http://00418964.at.webry.info/=から大部分を引用しています)