日本一小さな市を一回り2017年06月27日 09:31

埼玉県蕨市(わらびし)はさいたま市と川口市に挟まれた<日本一小さな市>です。ある団体の主催の「まち歩き」でを市内をほぼ1周しました。かなり寄り道をしましたが3~4時間くらいでしょうか。

最初に寄ったのは駅から15分ほどにある「塚越神社」。6メートルほどの小山の上に稲荷神社があります。地元の伝承ではこの山は「経塚」で、旅の出家僧お告げによりここにに法華経一万部を埋納して経塚を築いたもので、塚腰(塚越)という地名の由来となったといわれています。経塚がこれほど大きいものかの疑問は残ります。

神社内には定正寺という観音霊場のお寺や同地の機織業の発展に尽くしたという高橋新五郎を祀った機神社などもあります。かつて綿畑などのひろがるのどかな農村地帯だった頃がしのばれます。

JRの線路をわたり、用水路の跡を利用した遊歩道にでます。ほとんど埋め立てられていますが、このように用水の跡がかなり残っています。低湿地だったことがわかります。やがて(財)河鍋暁斎記念美術館へ。河鍋暁斎は幕末から明治にかけて活躍した狩野派の人気絵師で、道釈人物画から浮世絵版画、戯画・風刺画まで幅広い作品を描きました。記念美術館は1977年に暁斎の曾孫にあたる河鍋楠美氏が自宅を改装して開館したものです。

ついで、旧家に残る庚申塔(道しるべ)のある「善光寺道」を通って土橋公園で昼食休憩。午後、ほどなく、静かな通りにでました。旧中山道です。通りにはいくつかの旧家や「蕨市立歴史民俗資料館・蕨本陣跡」などがあります。さらに歩くと中山道に続く参道があります。三学院です。

この寺は金亀山極楽寺と称し、真言宗智山派。本尊は平安後期の慈覚大師作と伝えられる十一面観音で山門前には六地蔵などのおさめた大きな地蔵堂があります。ここで参加者の記念撮影(上)。

蕨宿には地元の方たちの保存意欲が感じられ、埼玉県内の中山道宿場のなかでは一番雰囲気の残る町並みになっているように思います。