高水三山の青渭の井戸2017年03月09日 18:42


高水三山とは奥多摩の御嶽渓谷の奥にある3つの山―高水山(たかみずさん)、岩茸石山(いわたけいしやま)、惣嶽山(そうがくさん)のことで、登山ルートとしてはJR青梅線の軍畑駅あるいは御嶽駅から一周するルートがあります。3/6の早朝、天候にやや不安を感じながら、いつもの地元の山の会の一行四人で北朝霞駅を出発しました。

軍畑駅前の車道をゆっくり登っていき、やがて登山道に。高水山は霊山ということで以前はこの登山道を通って多くの人が参詣したのかもしれません。けっこう急な岩場もありますので大変だったろうと思います(現在は頂上近くの高源寺まで車道があります)。3つの山とも標高は近いのですが別の山ですから尾根をかなり下ってまた登るということの繰り返しで、結構体力を使います。2番目の岩茸石山も巻き道がつくてあるほどの険しさがあります。

最後はいよいよ惣嶽山。ここも頂上付近はかなり岩と木の根のからまった急斜面です。登り切ると頂上の平坦地に立派な青渭神社の奥の院があります。ただし、全面が丈夫な金網で覆われていて近寄ることができません。社殿には様々な物語を表す凝った彫刻がほどこされています。ここは特別の日を除いて無人となりますから防災、防犯上の配慮とは思いますが、もう少し気の利いた方法はないでしょうか。

惣嶽山を少し下ると二本の大木の間に注連縄(しめなわ)が通してありま、その下に井戸がありました。これが真名井と称する霊泉(別名青渭の井)で、ここから青渭神社の社名が起ったといわれています。一年中涸れることのない泉といわれますが、この時期はかなりぬかるんではいますが水はありませんでした。しかし、はるか古代から清浄な水の出る場所だったのでしょう。今でもこの地は名水百選の地であり酒造メーカーもあります。

 ■高柄山の馬頭観音

ブログに書きませんでしたが、2/25に登った山梨百名山のひとつである高柄山(上野原市)ではかなりのアップダウンに息をきらしましたが、最後の沢井集落前の峠道で2つの小さな馬頭観音に出会いました。近くに「かなやま金山」があり、往時は頻繁な人馬の往来があったことを忍ばせます。

城山公園貝塚がなくなった!2017年03月13日 19:24


朝霞市の公園のなかで最も広いのが城山公園です。名前の通り中世の山城跡が残り、そのほとんどが林になっています。ここを通称“岡の城山”といのうのは、同じ市内にもう一か所城山という地名があるからです。もちろん城山なんていう地名は日本中に無数にあります。そしてそのほとんどがそこに「城」があった、あるいはその伝承地ということになるのでしょう。

朝霞の岡の城山にも立派な城跡があります。ただし、戦国時代の山城の遺跡ですから建築物は何も残っていません。ただ空堀とそれに囲まれた廓と呼ばれる広場があるだけです。戦った記録はおろか古文書にもまったく登場しない「歴史なき山城跡」なのです。

それでも私は家からほど近い、散歩道として好適なこの場所を年間に10回程度は訪れています。城の周りをめぐる黒目川の流れに沿って歩くことが多いようです。ところでこの公園にはもう1か所遺跡がありまして、それは貝塚です。いうまでもなく、縄文あるいは弥生時代の生活跡で、武蔵野台地の東端に位置するこの地域ではすこし上流の富士見市の「水子貝塚」が有名です。

朝霞の城山公園の貝塚はそれに比べるととても小さな規模ですが、この場所が内陸深く入り込んだ昔の東京湾の浅瀬であったことを示す貴重なものです。城山台地の外縁部、ササに覆われた小さな一角に、少し前まで、「貝塚跡」と書かれた、位置を示すポールがたっていました。しかし、今ではそのポールもなく、場所を示す囲いもありません。それどころか、乾いた土のグラウンドの一部に代わっています。

あまり気にも留めないで過ごしてきたのがいけないのですが、いつから説明版がなくなったのでしょうか。確か、その場所にはかすかに貝殻とおぼしきものが見えたような記憶があります。気が付くと岡の他の緑縁部の緑もかなり侵食され、乾いた踏み跡道が広がっています。

左足が痛かった2017年03月19日 19:25


1月の始めに山歩きの途中でうっかりして左足を傷めてしまいました。その後あった2回の山歩きの際にも一番最後の下山段階でやはり同じ個所が傷んで一時は(おおげさにいえば)手すりにつかまらないと階段を降りられない状態になりました。念のため整形外科で診てもらいましたが「骨にも腱にも異常なし」とのことで、これはやはり足の筋を痛めただけと思い静観することにしました。

3月に入っての山歩き(3月9日の奥多摩・高水三山)でも心配しましたが、なんとか最後まで持ちました。これは回復したかなと思っていますが、念のため、陽気のよかった18日に一人で高尾山に行って様子をみることにしました。高尾駅から徒歩で登山口。そこからいつものように稲荷山コースを経て城山まで往復して高尾駅まで約3時間半くらい。途中の食事休憩は20分ほどです。高尾山には急坂はそうありませんが階段が多いので、足の調子を探るには好都合です。結果、最後の高尾駅まで足が痛くなることはなく、違和感もありませんでした。

ということで今後も安心できそうです。しかし、桜もまだまだというのに高尾山には相変わらず登山者が多いです。土曜日だったせいか若者、学生が多いようで中には裸足で駈けていく一団もいました。多分どこかの大学の体育部でしょうね。昔の修験道もこんな感じだったのでしょうね。また、トレイルランの連中もかなりいましたが、その一人が木の根につまずいて倒れ、ものすごい勢いで立ち上がって走る去る姿を目撃。やはり転ぶんだ!

上の写真はモミジ平付近での登山道改修工事の様子です。シーズンに合わせたということでしょうが、街中だけでなく、東海道自然歩道でも年度末の土木工事が行われるということです。

柳瀬川の「淵の森」を歩く2017年03月23日 10:25


暖かい陽気の中、昨年秋に続いて志木市の環境団体主催の「柳瀬川ぶらり散歩」の2回目(3/20)。今回は、所沢市の空堀川と柳瀬川の合流点付近から西所沢駅まで5時間あまりのやや長い行程を歩きました。志木駅前から路線バスで前回解散地近くの台地上へ、ここから見下ろす柳瀬川低地はかなり迫力があります。崖下の柳瀬川・空堀川合流点へ。この場所が前回の最終地点で、今も河川改修作業が続いてるようです。現在の空堀川の一部を新柳瀬川と結び、蛇行している柳瀬川を直線化する洪水対策ですが、残った旧柳瀬川もそのま残すということで結構複雑な工事になっています。

この改修工事ではなるべく川岸の自然地形を残すようにと要望したそうですが、受け入れられたのは空堀川部分だけだったようです。見慣れていないせいか、水のない空掘川はかなり異様な感じです。その後、旧空堀川の流路を利用した「せせらぎ公園」や「中里緑地保全地域」を見学し、市民の努力によって貴重な自然が守られていることに感心しました。

ついで空掘川をはなれ秋津駅方面へ。この付近の柳瀬川もくねくねと蛇行していますが、川岸ぎりぎりまで宅地化されていて、遊歩道もありませんが、改修は不可能のようです。西武池袋線を超えたところの秋津公園で昼食休憩。

その後、安松橋を渡って柳瀬川を降りると、貴重な自然林に囲まれてゆっくり蛇行する水の流れがあります。ここが「淵の森」です(上の写真)。一時、宅地化の危機がありましたが、多くの市民の活動で公有化され、この貴重な景観が「トトロのふるさと基金」により保存されたのは有名な話です。河畔林もかなりの部分が保全されています。私は以前、鎌倉古道の探索会でこの上の神社まできましたが、川には寄りませんでした。関心の持ち方で地域の自然や景観の見方も変わりますが、柳瀬川沿いは古代からの関東地域の文化の交流地でもありました。

彩湖で水防遺産?を見る2017年03月27日 11:20


JR武蔵野線で浦和から府中方面に向かうと荒川の手前に大きな貯水池が出現します。これが荒川第一調節池内貯水池、通称「彩湖(さいこ)」です。少し前に、2020年の東京オリンピックのボート会場の候補地として名前があがりましたが、半分くらいが、かつてのオリンピックのボート場と同じ戸田市にあり、水系がつながっています。

頻繁に車窓から眺めているわりにはあまり行かない場所なんですが、先週、地元の見学会でここを歩きました。秋ヶ瀬橋を渡り、荒川の土手上にあるバス停「サクラソウ公園」から、ビオトープのヨシ原を見ながら彩湖西岸へ。一帯は彩湖公園というけっこう大きな公園になっているんですが、その入り口付近で自転車レース団体のイベントが行われているようで、かなり高度なマニアの姿が目につきます。おまけに4月にはこの公園内で公式のマラソン大会が行われるとのこと、この日はわれわれの周りを練習するランナーが次ぎ次ぎに通過、周回道路上はけっこうあわただしいです。

湖岸の近くに寄ることはできませんが、周辺の自然はかなり残されています。遊歩道の左右には、ここにかつて存在した村=大野新田を囲む土手の跡地と思われる微高地が、よく見ると連続して残っているように見えます。本当なら一種の文化遺産です。

その他にも、残された雑木林や竹薮が続き、ウグイスなど鳥の鳴き声が響きます。さらに、この彩湖のほぼ中央付近を通る外郭環状道路の幸魂大橋より先は完全に自然保護区になっていて人の立ち入りができませんので上流に隣接する秋ヶ瀬公園(ここもかなり広いです)と一体になって首都圏では有数の自然環境になっていると思います。

ここもあまり人がいきませんが、少し離れた所に「彩湖自然学習センター」があります。戸田市の管理ですが、1階から3階までは彩湖の自然環境、5階の展示室は国の荒川河川管理のための学習施設になっていて彩湖周辺の立体模型や実際の洪水時のビデオ映像など通して、この彩湖の歴史と機能がわかるような施設になっています。屋上からはすぐ隣にある外環自動車道路の幸魂大橋や彩湖全景が見渡せ、雄大な気分になります。