府中の熊野神社古墳2017年01月10日 17:47


8日、9日の両日、大宮の氷川神社と府中の大國魂神社に参詣。武蔵の国一の宮と武蔵の国の守り神、2つの神社はともに出雲系の由来を持つ歴史のある神社です。8日の大宮氷川神社は冷たい雨の中でしたが、多くの人で賑わい、9日の大國魂神社は成人式の晴れ着の女性が多く華やかでした。

府中の方では時間があったので少し歩いて興味のあった熊野神社古墳へ行ってみました。大國魂神社前の旧甲州街道を西に進みます。両側に残る旧家のたたずまいに街道の雰囲気を楽しみながら歩くこと20分ほど、京王線・分倍河原駅を通り過ぎ、新鎌倉街道を超えたところに熊野神社の鳥居が現れます。小ぶりな社殿の後ろに巨大な石造りの古墳が見えています。

この現代に再現された墳丘が、数少ない上円下方墳として、なんと平成になってから再発見された熊野神社古墳です。もともとこの神社の裏の小山は古墳ではないかという説があったそうなのですが、整備のための発掘により3段構造で石室を持つ上円下方墳と判明し、しかもこの種類の古墳としては最大規模であることもわかったのです。10年前に国指定史跡に指定され、神社の敷地内に展示館や石室の復元施設も併設されました。

府中は古代東山道が通った武蔵国の国府所在地ですが、付近には、主に多摩川の崖線沿いに、たくさんの古代遺跡が発見されています。多摩川は今よりはるかに巨大な河川でした。夕陽を受けて輝いているこの古墳も、かつて多摩川を行く船の上からまばゆく見えたに違いありません。

ところで、この熊野神社古墳展示館の女性係員はとても熱心に説明、案内をしてくれました。再現石室の内部にもライトをもって同行していただきました。もっと勉強してからくればよかったと思った次第です。