トレイルラン2017年01月07日 11:15


1月3日、あまりに暖かい陽気の中、初詣気分で高尾山へ。薬王院は混雑していましたが、行列に並んでいる人たちの話を聞いているといわゆる世間話の連続で、真言宗の大本山に参詣しているという意識はほとんどないようです。高尾山に限らずどの山も寺院もいまや信仰とは無縁の観光地になっていますが、この日くらいはスマホから離れてもう少し気宇壮大な話ができないものかと思った次第です。

登山道に抜け出ると人出は多いですが普通の休日くらいの感じでしょうか。静かな冬の山の気配を感じることができます。ゆっくり歩いていると、後ろから走ってきて「すみません」と抜いていく人がいます。いわゆるトレイルラン(正式にはトレイルランニング)の愛好者です。登山道を軽快ないでたちで走り抜けるというこのスポーツが一般的になってきたように思います。

そういえば、お正月のテレビのBS放送でもユーロッパアルプスを舞台にしたこのトレイルランの世界的な大会の模様を放映していました。他にもアマゾンの密林や砂漠も含めて、体力の限界に挑むようなレースの放送がいくつもありました。8月には、日本アルプスを舞台に2年一度開かれる「トランスジャパンアルプスレース」という超人的なレースがあり、これも放送されていました。富山湾からはじめ、北アルプス、中央アルプス、南アルプスを次々と縦断して駿河湾までの約415㎞を8日間以内で踏破するというとんでもないものです。

最近のブームかとおもいきや、調べてみると日本の山岳レースの嚆矢ともいえる富士吉田市の「富士登山競走大会」は1948年(昭和23年)に第1回が開催されています。私が生まれる前! 食料も満足でなかった時代にたいしたものです。いまでも過酷なレースのようで、山頂コースは半分ほどしか(制限時間内の)達成者がいないようです。

現在では、東京地方だけでも、この高尾山系もそうですが、奥多摩、奥武蔵、青梅丘陵など、自治体や企業主催のトレイルラン大会がたくさんあります。

どんなスポーツでも、やっているうちにより早く、あるいは競争したいという気持が生まれてきます。トレイルランもランニングから移行する人、登山から移行する人があると思いますが、いずれにしろ、季節の風景や動植物などの自然を楽しみながら歩く「登山」とは少し違う楽しみ方といえそうです。

自然の植生に悪影響を与えたり、思わぬケガをする確率も格段にあがります。気をつけてください。

 写真はNHKのホームページからです。
http://www.nhk.or.jp/docudocu/program/3326/2379259/