太平洋航路2016年08月26日 17:20

船尾側から海をみる

海に触れることがなくなって久しいものがあります。旅行で海辺に行くことはありますが、遠くから海面を眺めるだけ。潮のにおいをかぎ、海水で足を濡らし、ましてや波の中に入ることなどありません。海にいくだけなら、今年は、6月に瀬戸内海を連絡船で渡りました。あれは海かと思うほどの穏やかな海面をながめながらの数時間でした。そして、8月下旬になった先日、ほんの短期間ですが、船旅気分を楽しみました。

今回も名古屋と仙台、苫小牧間を定期運航しているフェリー(貨客船)にのって太平洋の夜と昼を体験したというだけですが、舩での宿泊という機会がほんどないのでけっこう楽しめました。乗船したのは『いしかり』という新しい船で、1万5762総トンとかなり大きく、全長は約200メートル弱。桟橋に横付けしている姿はまるで巨大なマンションが横たわっているようにも見えました。

ちょうど台風の通過した後だったので多少の揺れを覚悟していましたが、実際には身体の向きを進行方向にしていおけば寝ている時も気になるようなことはありませんでした。ベッドは基本的にそのように配置されているようです。昼夜をわかたず22ノット以上というかなりの速さで走り続けますが、きけば横揺れ防止装置がついているのだそうです。乗客にも船酔いのひとはいなかったということでした。

最初のうち、天候は悪く、真夜中から早朝まで、ちょうど房総半島にさしかかるあたりでしょうか、雨が舩窓を打ち、その後、月が出てからも、はるか遠くの海上にいくつのも稲光が見えました。船内まで音は聞こえませんでしたが、光りははっきり見えました。普段気にしませんが、海の上でも壮大な気象現象が起こっているわけです。

早朝からは晴れましたが、相変わらず風は強く(船自身のスピードもあります。もしかしたら船の上はいつもこうなのか)デッキに出ている人の姿はまれ。ほとんどの人が食事をしたり、映画やショーを見たりといった感じでゆっくり過ごしていました。これが船旅というものなのでしょうか。