緑泥石片岩の採掘現場2016年03月13日 16:43

ここが採掘跡です
3月11日、武蔵嵐山にある埼玉県立史跡の博物館の主催する「文化財巡りの3 小倉城とその周辺を歩く」に参加しました。先週は結構暖かい日もあったのですが、この日は寒い。おまけに出かける時間には小雨がふっていましたが、天気予報を信じて駅へ。武蔵嵐山までは約50分かかります。今年になってから、この博物館関係で3回、登山で1回と急にこのへんに来る機会ができてしまいました。不思議にこういう縁はよくあります。

まずは史跡の博物館に集合して、ここから菅谷城館を横切って小倉城跡、割谷ほかの採掘遺跡を見学しながら、最後は小川町の伝統工芸会館まで徒歩で移動するというルートで、歩いた場所は西に向かってほぼ槻川に沿って進む感じです。

博物館のほうでこうしたルート地図も入った大変よくわかる資料を用意してくれましたので、最後まで見学場所とその全体的な位置関係が把握できます。(仕事で行う館のひとと違って)われわれボランティアのレベルではなかなかここまでできませんが参考になります。

さて、今回の見学会の目玉は「緑泥石片岩」です。板碑などに使われている例の緑色の石ですが、その採掘現場(のひとつが)がこの地域だとして特定されたのはわりと最近のことです。本日の行程にある小倉城もこの石をつかった築城方法が注目されている山城です。もちろん、有名な嵐山渓谷も槻川がこの岩盤を侵食して創り出したものなのです。

割谷という地区にある、この「緑泥石片岩遺跡(国指定)」は小高い丘の中腹にあり、付近一帯は、掘り出した石ガラが堆積して稜線を形成しているような場所です。付近には近年まで石材を切り出していた場所があるそうで、古代から盛んに利用されていたことがわかります。

ただ、博物館の人もいっていましたが、遺跡としては非常に地味で、見せるものが採掘跡くらいしかないのが苦しいところです。鉱山のような建築物遺跡や採掘道具などがありません。現状では、ここにくるのはハイキング客くらいのものでしょう。